「店長代理」

私がバイトしている居酒屋では、店長が異動になった関係で、新しく店長代理の男が来た。
40過ぎの極普通の中年の男性であるのだが、生真面目というか融通が効かない。


そして大学生である私たちアルバイトに対し、どうも上から目線というか諭すような口調で話すことが多いのだ。
 
もちろん年上なのだから、ある程度の上下関係はしょうがないければ「夜遅くまで出かけるな」「酒はほどほどにしろ」とプライベートにまで口を突っ込んでくる。


この感じはもしかして、と一人のアルバイトが店長代理に尋ねると、私たちが想像していた通りの答えが返ってきた。

彼はもともと国語教師だったらしいのだ。


「教師をクビになったてこと?」

その話を聞いて私たちは首をかしげる。

確かにあれこれと口うるさいが、その奥底には、本当に私たちを心配しているかのような実直さを感じていたのだ。

 
「いや、どうもそうじゃないみたい」
店長代理と話したバイト仲間は説明をしてくれる。

「来年から国語の教科書にね、居酒屋店員が出てくる物語があるんだって」


私たちは「あぁ」とも「おぉ」ともつかない声をあげる。


しかしどこかそれは納得いくような理由な気もした。
生真面目で融通が利かないあの人らしい、と。



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